1/19/2024

円安か円高か。

不動産投資の基本的な情報はウェブサイトを作ったので、こちらのブログは資産形成や経済に関することなども書いていきたいと思います。ということで、今日はドル円為替の問題を取り上げてみます。150円を超えたところまで行ったドル円は、2023年の年末に向け140円近くまで戻り、しばらく膠着状態が続くかと思えば1か月しないうちに148円まで戻ってきました。何が影響しているかは分かりませんが、不安定な状態であることは確かです。

皆さんは、これから再び円高に戻ると思っているでしょうか?私が経験から覚えているドル円は、まず大学生の時に初めてアメリカに行った時、240円でした。社会人になって200円を割り、ドル高がどんどん進んで行って結婚したころは100円ぐらい、その後超円高の80円になり、ハワイに行けば売っているものすべてがバーゲン状態でした。それがアベノミクスによって、更には黒田バズーカによって90円を超えて100円になり、この10年で1ドル100円が150円まで円安が進んできました。

為替というのは通貨の需給や金利や地政学的リスクなどいろんな要因から影響を受けますが、いま最も影響力が大きいのは、日本の国力の低下だと考えています。2023年の年末に向けて円高方向に振れたのは、日米の金利差が縮まるとの目論見によるのですが、賞味期限は1か月。何も変わっていないのに150円近くに戻ってきました。私自身は「やっぱり日本に対する根本的な信頼がないのだな」と思っています。

ざっくりした話で直近の数字とは違いますが、日本の政府予算はおよそ100兆円で75兆円を税収で賄っています。足りない分は国債を発行して毎年借金しています。足りない部分の25兆円は偶然と思いますが、国債の利払いと同じくらいの金額です。日本政府の国債発行残高は、今や1,000兆円になっていて、対GDP比率では世界で断トツに高く危険な状況です。自民党が成功したと言い張っているアベノミクスが始まった時に、この発行残高は今の半分くらいで、日本のGDPは550兆円くらいですから、GDPに匹敵するお金を国が借金をして市場に投入しても経済が回復しなかったことになります。

しかも、日本政府と日銀は、財政ファイナンスという禁じ手を使って、日本政府が発行した市中にある国債を日銀が買ってきて、まだ継続中です。その結果、日銀は5-600兆円の国債を保有しています。日銀が金利を上げられないのは、まず、金利を上げると日銀が持っている国債に大きな評価損が生まれるからです。また、金利を上げると新たに発行する国債の利払いが増えます。マイナス金利という言葉を聞いたことがあると思いますが、日銀の当座預金でマイナス金利の対象ロなるのは、実は、限られた一部のお金です。それすら解除できないでいるわけです。

短期的にはさまざまな要因で為替は動きます。しかし、借金だらけになっていて経済の強さがない日本の基本的な状況が変わらなければければ、円が強くなれるはずなない。そう思いませんか?今は、まだ世界は日本に対する信用を失っていないようです。また、日本のマイナス金利の本当の状況を理解しているのはほんの一部のようです。なので、これらの認識や理解が変われば、円安がさらに進んで行くことになります。円安がさらに進んでも海外旅行に行きたければ、ドル収入を得るのが得策。今はまだ円高だと考えればやるべきことが見つかると思います。


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